本施設は、市立幼稚園等の統合に伴い市の4番目のこども園として旧市立ささはら幼稚園の跡地で公園に隣接する住宅地内に建設されました。狭隘な敷地を有効に活用するため、3階建ての施設となっており、屋上の一部を園庭として整備しています。
ワークショップによる議論を重ねながらコンセプトをまとめ、「生命の集い(人・緑・木々・花・土・水・陽の光・生き物・風・息吹)を感じるこども園」という伊丹市のメインコンセプトに、当こども園独自の設計コンセプトとして、
配置計画
・既存樹木をできるだけ残し、隣接する公園と連続する緑の景観を活かす。
・セキュリティラインを明確にする。
・日照・採光を重視した上で、日影など近隣へも配慮した配置とする。
園庭計画
・園庭を大きく取れないため年齢に応じた性格の異なる2つの庭をつくる。
・木登りや築山・水遊びなど、五感を使って遊べる園庭とする。
・日常遊ぶ場所として保育室からアクセスし易い園庭をつくる。
上下足のシステムについて
・こどもたちがすぐに遊びに出られるよう、保育室前で履き替えを行う。
ゾーニングについて
・0~2歳児の保育室は1階、3~5歳児は2階に配置し、異年齢のこどもたちが生活動線の中でふれあえる機会を随所につくる。
・調理室とランチルームは隣接させ、調理の様子が見えるようにする。
こうした整備方針や要望を一つ一つ丁寧に解決し、施設に盛り込むことで関係する人々のたくさんの思いが詰まったこども園が完成しました。
兵庫県:伊丹市
主な用途:こども園
構造:RC造
階数:地上3階
延床面積:2,809m2