津山市内の市立幼稚園を2園に再構築するための市の西エリア側の1園として、また、既存の公民館である二宮公民館も建物一部に併設するため、既存幼稚園と公民館が隣接する敷地を合筆し建て替えとして木造平屋建てにて計画を行いました。
幼稚園・公民館双方の利用形態に配慮し、エントランスは敷地へのアプローチがしやすい南側道路から利用する敷地東側の駐車場に面して幼稚園と公民館それぞれのエントランスを設けています。
建物内で幼稚園と公民館は必要に応じて行き来ができるようにし、一体利用も可能な計画としています。
建物はコの字型に配置して、南側園庭を囲み、安全な園庭を確保しています。園庭に面してデッキテラスを設け、平面的に曲線をつなげた特徴的な庇をかけ、半屋外の使い勝手の良いスペースをつくっています。
保育室は北側・西側に配置し、各保育室に教材庫・トイレが隣接するように計画しています。園庭側に通した廊下を介して園庭からの明るい光や風を保育室に取り入れられるよう、開口を大きく設け、快適な空間としています。
遊戯室は幼稚園のエントランスからアクセスしやすい位置に配置し、保護者や来客者の利用に配慮しています。
構造は地域産材を用いた在来工法を採用しています。一般流通材を主体とし、小径材を使って「たばねる」「つなげる」ことによって繊細で美しい空間をつくっています。幼稚園の遊戯室と公民館の研修室では室の用途に合わせて、高い屋根・天井で大きなスパンとするため、嵌合接合によるトラス構造を採用し、開放的で外観としても特徴ある形状としています。
延べ床面積1,000㎡を超える一般木造のため防火壁が必要となりますが、木造の耐火構造としたコア部分を挟み込み、連続した建物形状となるように構成しました。
岡山県:津山市
主な用途:幼稚園・公民館
構造:木造
階数:地上1階
延床面積:1,792m2