箕面市船場東地区は、延伸される北大阪急行線の新駅の建設に伴い、大阪大学箕面キャンパスや市立図書館、市民ホール等が新たに整備され、新しい文化・学術エリアとなっています。この箕面市立船場広場は、新駅からそれらの各施設へ2階レベルでアクセスできるペデストリアンデッキとして計画・建設されました。
ここでは、多様なキャラクターを持つ建物への単なる通路としてだけでなく、まとまりのあるひとつの広場として、憩いの場となるようベンチやファニチャーを各所に配置しています。授業の空きコマを待つ学生や借りた本を読む人、開演後に語らう人など多様に利用する人を想定して、ファニチャーの素材やスケール、形を場所ごとで変えてデザインしています。また地上レベルへの上下動線を大階段とステージからなる屋外劇場としたり、広場下1階の駐輪場への採光を兼ねた階段の踊り場を広く取って、植込みとベンチを配置しサンクンガーデンとしたりするなど、歩行レベルと異なるレベルでも人々がくつろげる場所を断面的にも設けています。結果、歩行空間に少し視線が上下に交錯するだけで『見る・見られる』の関係性が生まれて、まるで劇場のような都市的な広場となっています。
所在地:大阪府箕面市
主な用途:ペデストリアンデッキ・駐輪場
構造:鉄骨造
階数:2層
面積:3,634m2