本事業は、荒川に面する高規格堤防の一部である新しい敷地に、小松川第二中学校を全面的に移転改築する事業です。敷地は荒川土手と同じ高さに整備されており、周辺地域と比べると6m程高い位置となり、外周に間知積み擁壁がそびえ立ち、周囲から中学校敷地が見えない状態となっていました。そこで、一部、建物を擁壁代わりとし、地下階を計画することによって、街並みに中学校が顔を出して、中の活動が地域にあふれ出し、明るい景色を生み出すことを目指しました。
各室の配置は、荒川に近い校舎東側の2・3・4階に普通教室を学年のまとまりを持って配置しています。普通教室は全て南向きとして、校庭越しに荒川や小松川千本桜の景色が見えて気持ちの良い学習・生活の拠点をつくっています。建物中央の大階段付近には2階に図書室やパソコン室、円形の書架を設けて、生徒が移動の際に、本に自由に触れることができる学びの中心をつくっています。校舎棟西側には2・3・4階に特別教室を教科のつながりを踏まえて配置し、廊下に面する壁面にはガラスを多用して、特別教室に入る前からその教科の雰囲気が廊下へあふれ出す工夫をしています。
建物内部は内装の木質化を積極的に行い、普通教室、特別支援教室、学年毎のコモンスペースやカウンター、デッキスペース等、生徒一人一人が自由に憩い・学ぶことのできる魅力のある場を各所にちりばめています。
東京都:江戸川区
主な用途:中学校
構造:鉄筋コンクリート
階数:地上5階・地下1階
延床面積:9,298m2