二葉乳児院は、さまざまな事情で家庭の保護を失った乳幼児のための保育施設です。
二葉保育園は、華族女学校に務めていた野口幽香・森島峰が1900(明治33)年におこした「二葉幼稚園」(後に二葉保育園)に端を発します。これは日本における最初の託児所となりました。また1922(大正11)年〈母の家〉を付設し、母子ホームの先駆となりました。
新しい乳児院の計画にあたっては子供の生活空間をゆとりあるものとすること、地域活動を行うスペースを確保することを前提に、子供達が大人となっても暖かいぬくもりの記憶として残ることを願って設計をすすめました。自然との調和をテーマに、外部空間とのつながりや自然光をふんだんにとりいれた、やわらかい色使いの建物をめざしました。
百年の長きにわたり受け継がれてきた幼児教育への深い思いと、毎日子供と接する保育者の新院舎に対するなみなみならぬ熱意にささえられ、数々の貴重なアドバイスもいただき、無事竣工を迎えることができました
主な用途:乳児院
構造:RC造
階数:3F
建築面積:865.63㎡
延床面積:1,745.27㎡